皆さまこんにちは。プロゴルファーの松澤です。2021年3月より念願のプライベートレッスンを始めることとなりました。2020年コロナ禍に「オノマトペ ※1」「ベアフット理論」(裸足)をゴルフに応用するという理論に出会い、私の考えと合致しました。
ベアフット・ランニングは、この10年で非常に人気が高まりました。腱炎やその他の怪我に悩むランナーや、単純に強さや効率を高めたいランナーが、裸足で走るメリットに気づき始めたのです。常に裸足で走る人もいますが、トレーニングの一環として部分的に裸足で走っている人もたくさんいます。
ベアフット・ランニングが足や身体にどれほどいいかは、いろいろなところで議論されています。最低限の靴または裸足で走るのは慢性傷害にいいとする研究結果もありますが、実験の規模が小さすぎる、あるいは期間が短すぎるという批判があるのも事実です。British Journal of Sports Medicineに掲載された論文によると、ベアフット・ランニングの影響はまだ解明されていないようです。長期的な前向き研究はまだ行なわれておらず、ベアフット・ランニングと怪我あるいはパフォーマンスの関係は、まだ弱く不確かなものです。
スニーカーは足への衝撃を吸収してくれるので、より速くより長く走れると考える人がいる一方で、靴、とりわけスニーカーは筋骨格によくないという人もいます。ワシントンDCの足病医Stephen Pribut氏はRunner’s Worldの取材にこう答えています。一日中靴を履いていると、足の筋肉が衰える可能性があります。
ベアフット・ランニングの賛同者は、人間は裸足、または薄底のモカシンでさまざまな地形(硬くて平らなツンドラを含む)を長距離走れるように進化してきたため、スニーカーは怪我のもとだと主張しています。裸足または「ベアフット・ランニング」用スニーカーで走ると、自然に足の前部を使って走ることになります。人間にとってこのような走り方が自然であるにもかかわらず、多くの人が靴を履くことで忘れてしまっているという事実が、子どもを対象にした研究で明らかになっています。
また、ハーバード大学の研究によると、走るときにかかとから着地すると、高周波の力が身体と骨に伝わり怪我につながる可能性があります。一方、つま先から着地すると、低周波の力が筋肉に伝わるため、筋肉が襲撃を吸収してくれます。裸足のときにかかとで走ろうとすると違和感を感じると思います。
ほかにも、裸足で走るとストライドや走り方を変える心配がないというメリットがあります。2017年4月にInternational Journal of Exercise Scienceに掲載された論文によると、経験豊富なランナーもそうでないランナーも、裸足で走ることで自分にとっていちばん効率的なストライドを見つけられたそうです。
出典元:Source: Science Direct, BMJ Journals, Runner’s World, NCBI, Harvard University, International Journal of Exercise Science Starre Julia Vartan – Lifehacker Vitals[原文](訳:堀込泰三)
私は、この論文を読んで、「ベアフット・ランニング」をゴルフに適用しては良いのでは無いかと考えました。言われてみれば、自分でも研修生時代、中村寅吉先生の教えにより、裸足で練習していた事を思い出したのです。特にバンカー内での感覚は今でも私のゴルフスイングの基礎になっています。
もちろん希望者様だけに体験して頂きますが、是非とも皆様に体感して頂きたいと思っています。
私は、このオノマトペ、ベアフットを取り入れながらレッスンをして行きます。私がレギュラーツアー出場中、足底腱膜炎※2を患い、治療中出会ったトレナーから、裸足で練習をして足底を鍛えたら良いと言われました。そう言われてみれば、私が研修生時代、師匠である中村寅吉先生から、地面の感覚、傾斜の感覚、大地を踏みしめる足指の感覚を掴むために、良く裸足で練習をさせられました。この時受けた感覚は今でも鮮明に覚えています。これが有って私のスイングが出来ているのだと、強く確信しています。89年プロ入会以来32年、プロゴルファーとして全ての経験を皆さんにお伝えしたいと思います。
特にスイングは人それぞれ十人十色だと思います。各個人の持っている個性を生かし、ゴルフ本来の持つ「スコアアップ=楽しさ」を追求しながら一緒にゴルフを楽しみましょう!
※1 オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現した言葉のこと。
主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現した言葉である。
出典:新語時事用語辞典
※2 足底腱膜炎とは 足底には、かかとの骨から足の指の付け根にかけて、強靱な繊維状の組織である腱が膜のように広がっています。これが足底腱膜です。
足底腱膜は足底の土踏まず(縦アーチ)を保持して、歩行やランニングによる衝撃を吸収する役割があります。
さらに、その吸収した力を蹴り出しのエネルギーとして有効活用する「巻き上げ(ウインドラス)機構」にも関与しています。
そのため足底腱膜の働きが悪くなると、足底が地面に着地するときの衝撃吸収や蹴り出す力のバランスが崩れて、走りにくさや歩きにくさを感じます。